Fujitsu 163-0731 Computer Drive User Manual


 
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2 技術解説
2.6 強誘電体の信頼度
FRAM のセルに使用している強誘電体材料には, データ保持の信頼性に影響する二つの代表的な特
性があります。
1) データリテンション(保持)特性
データリテンション特性とは , 2.8 に示すように , 分極量 Q が時間 t の経過とともに減少(劣化)
して行くものです。この特性によって不揮発性メモリとしてのデータ保持能力が決まります。この特
性は温度による加速試験が可能です。この特性は材料によるところが大きく , 設計的には強誘電体
キャパシタに書き込む電圧を最適化することによって改善することができます。当社 FRAM の設計
においては , そのための回路的工夫がなされています。
2.8 データ保持特性
2) ファティーグ(疲労)特性
ファティーグ(疲労)特性とは , 分極反転を繰り返しているうちに分極量 Q が減少(劣化)してい
くものです。図 2.9 にその様子を示します。図中の横軸(サイクル数)は分極反転回数です。ファ
ティーグ特性は , その動作電圧に強く依存し , 低電圧で動作させるほど , その劣化は緩やかになりま
す。よって , 今後の FRAM デバイスの低電圧化に伴い , ファティーグ特性はさらに向上します。
2.9 疲労特性
10
8
10
6
10
4
10
2
10
0
減少(劣化)
時間 (t)
分極量 (Q)
10
8
10
10
10
12
10
6
10
4
10
2
分極反転回数
疲労劣化
分極量 (Q)